モダンアートと侘び、寂。
先日詠んだ記事にジャズ界の重鎮ナベサダこと渡辺貞夫さんが面白い事を言っておられました。『私たちの時代は、物も情報も知識も乏しく。好きな物を選択する余裕など無く。只好きな事に時間を費やせることが最高の幸せで、日々練習することが最高の目的だった。しかし、今の時代の若者は、選択肢に恵まれ、好きな物を決めるだけでも、情報の渦に溺れて、目的を見失ってしまう可能性が有る。』的な事を言っておられたが、人間は人生に迷い悩むとお寺に行って瞑想し想いにふけて試行錯誤したもので、そのような世界観の一つに『侘び、寂』があり、竜安寺の石庭などその最たるもので、当時のモダンアート(宇宙観)だったのでありますが、当時は何度も繰り返しますが、封建的時代で情報も哲学的知識も欠乏していました。が、そんな今の混迷?の時代を象徴する流行りのモダンアートは、一見『侘び、寂』が無いようにおもうのですが、竜安寺の石庭と一緒に並べて鑑賞すると、妙に派手な色使いの画にもまんざら『侘び、寂』が無いとも言えず、間違いなく有るように見えてきました。きっとこの対比する要素の共通項は、『常に世界は変化しつつ時代は流れていくという諸行無常の観念』が普遍的な芸術世界観の目的なのかもしれません。断捨離、お引越、倉庫整理、遺品整理、古道具、骨董品等などを処分される際は是非いちど、古美術 一休堂までご相談下さい!
2021年03月02日(火)